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キムケンの大学サッカー応援コラム

キムケンの大学サッカー応援コラム2017年度①

学生サッカーファンの皆さん、お久しぶりです。北海道大学サッカーサポーターのキムケンです。2017年度のサッカーシーズンもこれから本番を迎えます。先月26日には北海道学生サッカー連盟(以下、学連)の総会も開催され、今季の日程、概要が決まりました。それに関しては後程、後述します。

普段は5月中旬の総理大臣杯から大学サッカーはスタートしますが、今季に限っては、天皇杯1回戦が4月22、23日に開催されるため、昨年度の学生リーグ1、2位と、社会人リーグ(北海道リーグ)1、2位のチームで1,2日に函館フットボールパークで平成29年北海道サッカー選手権大会兼第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会北海道代表決定戦が開催されました。

結果は皆さんご存知かも知れませんが、学生リーグ1位の北海道教育大学岩見沢校(以下、岩教大)、2位の札幌大(以下、札大)の両雄は、社会人1位のノルブリッツ北海道の老獪さとしたたかなサッカーに後塵を拝する結果となりました。

準決勝でノルブリッツと対戦した札大は、昨年から元コンサドーレ札幌の砂川誠氏をコーチとして迎え、個の力とアイデアを生かし、ボールを保持し動かし続け、相手の逆を取るポゼッションサッカーを目指しています。DFにコンサドーレ札幌の強化指定選手の按田頼選手(2年)、中盤には卓越したパス能力とゲームメークができる平塚悠知選手(3年)、FWには裏に抜けるスピードと得点感覚に優れた新田裕平選手(3年)などが健在で、「攻撃に関しては去年より能力のある選手がそろっている」と砂川コーチも話します。個の力に関しては今年も大学NO.1だと筆者も感じています。

基本的には3バックで、攻撃時には両CBも高い位置まで上がりワイドに開いて攻撃に参加する超攻撃的なサッカーでノルブリッツを押し込みますが、ノルブリッツは札大の戦術に合わせ、5バックで引いて迎え撃つ形になります。システム的に正対する形で、札大の攻撃は次々と跳ね返されます。7-3の割合でボールを支配するのですが、ファイナルサードからの崩しのアイデアや共通理解がまだシーズン初めということもあるのか精度を欠いていました。「相手を崩すアイデアもが足りなかったし、崩してもシュートまでいけない時もありました」とゲームキャプテンでリベロの中島洸(3年)。逆に時折放つノルブリッツのロングボールからのカウンター攻撃は危険な匂いを放っていました。前半は0-0でしのいだノルブリッツのプラン通りの展開といえます。

後半も札大がボールを動かしながら攻める展開でしたが、同7分、MF小玉翼選手のロングパスに裏を抜けたFW畠山直人選手の冷静なシュートが決まり先制点を奪われます。札大が前がかりとなり、ポッカリと空いたスペースを使われてしまいました。札大はさらに前がかりに攻めるのですが、昨年、北大の主将だった桜岡直也選手が、ノルブリッツのCBとして出場していましたが、「ディフェンス5枚で正対していたし、跳ね返すだけで良かったので、やりやすかったです」と語るように、ボールは回すのですが、焦りからか単調な攻撃が目立ってきます。そして、ノルブリッツのディフェンスが、学生サッカーでは見られない粘り強さを見せ、札大の波状攻撃を最後までしのぎ切り、逃げ切りました。ボールを圧倒的に支配しながらシュートは11本、決定的なチャンスはそれほど多くなかった札大。「ボールを保持しているチームが負ける典型的なパターン。やっている内容は悪くはなかったですが、力不足です」と砂川コーチは完敗を認めました。昨年から大学サッカーに携わり、札大の選手の能力を認めながらも「札大の選手には守備の文化がない」と分析。今回のロングボール1本の失点も「何であんな失点の状況になるのか理解できない」と嘆きます。そのため守備の強化以上に、ボールを保持し続けるサッカーを志向し、「とにかく個の力を高めることと今やっているサッカーの精度を上げていくしかない」と話します。3月は愛知遠征で関東、東海、関西のチームと練習試合を行い、札幌でもコンサドーレ札幌と練習試合を行うなど準備してきましたが、実りませんでした。

ゲームキャプテンの中島選手も「DFからFWまで全員が同じアイデアを持って連動していくぐらいにしていかないといけない」と話し、総理大臣杯、リーグ戦への巻き返しを誓いました。

岩教大は、今季も4-3-3を基本に、より縦に速いサッカーを志向し、全国で勝てるチームに進化するため、当たり負けしないというテーマを掲げ、冬場は厳しいフィジカルトレーニングを課してきたと言います。その成果は3月20日からの関西遠征で阪南大や大阪経済大などと練習試合を行い3勝1分けと負けなしの結果を残し、自信を持って今大会に臨みました。

準決勝の相手は社会人2位の十勝FC(旧十勝フェアスカイ)。冬場に鍛えた運動量とスピードで押し込んで、シンプルな縦パスを中心にチャンスを造ります。特に昨年不調だったFW佐賀俊之輔(3年)選手の動きがキレキレで、前半35分のDFを抜き去りゴール左隅に決めた同点弾や、逆転弾となった64分のヘディングシュートなどでハットトリックを飾り3-2と競り勝ちました。内容的には完勝だったものの、岩教大もロングボールからあっさりと2失点した淡白なディフェンスが気になりました。GK福永浩哉選手も「引いてくる相手には縦パスだけじゃなく、状況によってパスを回す時間も必要かもしれません」と懸念していました。筆者も縦パスだけだとしたたかなノルブリッツの術中にはまる、そんな見立てでした。
決勝はまさにそのような展開。今回もノルブリッツは4バックで4-2-3-1と4-3-3の岩教大に正対しやすいシステムを引いてきました。特に岩教大インサイドハーフの小笠原光研選手(4年)、遠藤祐馬選手(2年)を2ボランチで徹底マーク、好調のFW佐賀選手もフリーにさせてくれません。試合開始後はノルブリッツは引かずにしっかりとプレッシャーをかけてきて、岩教大は苦し紛れの縦パスが多くなり、さらにそのセカンドボールを奪われ苦しい展開に。やはり単調な縦パスだけだとしっかりと裏をケアされていて、2人目3人目と連動した攻撃ができず、攻め急いでは数的優位を作れません。そのため、DFラインからのビルドアップができず間延びした中盤に開いたスペースを使われカウンター攻撃を浴びます。8分にDFのこぼれ球を押し込まれ早くも失点。

しかし、後半は運動量に勝る岩教大が押し込む展開となり、セットプレーなどからチャンスを作ります。内容の良い時間帯に追いついていれば展開は変わったはずでした。しかし、同24分、ロングボールから右サイドを崩され、ファーサイドへのグラウンダーのクロスから小玉翼選手に押し込まれ、痛恨の2失点目。「あの2点目が痛かったです」と明比佑樹主将。岩教大は単調な攻撃のリズムを変えようと、63分に右サイドバックに正確なサイドチェンジなどパス能力のある井端純之輔選手(4年)を入れたばかり。しかしそこを突かれてしまった失点でした。後半30分にも試合をほぼ決定づける3点目を決められます。岩教大は同33分から長身のDF重森剛司選手(4年)をFWで投入、パワープレーをしかけ、アディショナルタイム2分にCK崩れからアンカーの小川達也選手(2年)が意地の1点を返しますが、予想外の完敗を喫し、大学勢は今季の天皇杯の出場を逃しました。

越山賢一監督は「自分たちのやることが読まれていた。単調になってしまったし、相手はうまい選手が多かったので、運動量で勝負するしかなかったけど、成熟度の差が出た」と振り返りました。こちらも関西遠征で得た自信を打ち砕かれることになりましたが、シーズンが始まったばかりで良い勉強になったことでしょう。昨年の奈良創平選手や一昨年の松本鴻太選手など中盤にパスを散らしてリズムを変える選手が不在で、引いた相手に縦パスだけでは厳しいと試合を見て思いました。状況によってある程度パス交換しながら相手を引き出してから縦パス勝負するなどバリエーションを増やすことも必要でしょう。それでも「まだまだ精度を上げていく必要はありますが、やろうとしているサッカーは絶対間違っていないです」と明比主将。今回を貴重な経験として総理大臣杯、リーグ戦へ向けいかに「成熟」させていくか楽しみです。

個人的には今大会を通して、両校とノルブリッツとで感じた差は、やはりディフェンスです。今回だけではなく、大学サッカーを長年見てきて感じるのはディフェンスの淡白さと集中力のなさ。DFだけではなく、チームとしての守備で「危機察知能力」の欠如を感じます。昨年のリーグなどをみても1~3部限らず大味な試合が多かったと思います。岩教大も打たれたシュートはわずか5本ですがそれで3失点。DFリーダーの深井祐希選手(3年)は「1点目は事故みたいな失点でしたが、ほかは崩された。ファイナルサードの場面でもっと厳しく寄せていかなければいけないと思いました」と話します。ノルブリッツのディフェンスは危機察知能力が素晴らしく、危険な場面はカバーリングが徹底され、札大、岩教大ともフリーでシュートを打てる場面が少なかったです。元北大主将の桜岡選手は「皆さん上手いですし本当にやりやすい。自分のミスも必ずカバーしてくれる。自分は跳ね返すだけでいい」と話します。やはり「危機察知能力」は経験を積まなければ身に付かないのかも知れません。しかし、今大会は防げた失点を与えてしまった印象を両チームともに感じたので、北海道大学サッカー全体の課題かもしれません。

さて、今季の学生サッカーに話を戻しますが、総理大臣杯が5月13日から苫小牧、浜厚真、厚別公園競技場で開催。28日に厚別で決勝が行われます。リーグ戦は1部が5月13日、2部、3部WESTが6月10日、3部EASTが同月17日から開催予定です。今季の加盟校は29校、昨年1部に残留した函教大が、部員不足で加盟を辞退し、1部の構成が7校になったのは残念ですが、3部は札幌国際大、苫小牧駒沢大が復帰してくれました。また、3部は試合参加の機会を増やすために、試合の控えメンバー7人全員を交代できることに決まっています。1、2部は従来の4人です。今季も学連の各種大会にご注目してください。


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▽写真説明
札大01 FW新田が惜しいシュートを放つ
札大02 ノルブリッツの粘り強い守備に攻めきれない札大
札大03 後半7分にノルブリッツ畠山に先制点を奪われる
札大04 痛恨の敗戦にうなだれるDF按田
岩教大01 準決勝の十勝FC戦でFW佐賀がハットトリック
岩教大02 DFラインの裏を抜けるもGKに阻まれるMF小笠原
岩教大03 好調佐賀のポストプレーもノルブリッツの守備に苦闘
岩見沢04 後半アディショナルタイムにMF小川が意地のゴール
岩見沢05 まさかの敗戦にぼう然とする岩教大イレブン

全日本学連 基本理念の改訂について
圧縮版カラーA4)全日本学連宣言(14年3月).pdf

全日本学連基本理念の改訂に付いて ダウンロード

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