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キムケンの大学サッカー応援コラム

キムケンの大学サッカー応援コラム2017年度①

◎総理大臣杯は岩教大が2年ぶりの優勝

お久しぶりです。北海道大学サッカーサポーターのキムケンです。総理大臣杯の熱戦が5月13日から始まり28日の決勝戦では北海道教育大学岩見沢校(以下、岩教大)と札幌大学(以下、札大)の5年連続の同カードとなり、岩教大が2年ぶり4度目の優勝を飾りました。大会全体を振り返るのは後述するとして、まずは決勝戦を振り返ります。

◎札大の個&パスワークvs岩教大のハードプレス&運動量

現在、2強の対決は個の力で上回る札大に対し、運動量と組織の力で対抗する岩教大という様相になり、勝敗の予想も難しいぐらい力が拮抗しています。システムは札大は今年から3-4-2-1、岩教大がここ数年不動の中盤はアンカーと2枚のインサイドハーフを配置する4-3-3。そして、目指すサッカーも対照的です。岩教大は「全国で勝つため」フィジカル強化を徹底して行い、またボールを高い位置で奪い縦に速いサッカーにより磨きをかけてきました。まさに「デュエル」の強化です。

札大は、コンサドーレ札幌の強化指定選手の左MF按田頼(2年)、今季はボランチとして後ろから長短の正確なパスを繰り出しゲームを作る平塚悠人(3年)、裏に抜けるスピードと得点能力のある新田裕平(3年)という学連では傑出した才能の3人を擁し、特に攻撃に関する個の力は他校から頭ひとつ抜け出ています。目指すサッカーも個の力があるからこそのパスサッカーです。両サイドが極端なほどワイドに開き、ボールをDFラインからドンドン動かし、サイドチェンジを繰り返しながら相手を疲れさせ、ラインが間延びしてきたら、その間でボールをダイレクトにつなぎながら相手の逆を取り、シュートに結びつける攻撃やポゼッションに特化したサッカーを突き詰めてきました。昨年から元コンサドーレ札幌の砂川誠コーチが実質的な指揮を執ってきた頃から志向してきたサッカー。「やりたいサッカーが選手になかなか伝わらない」と話し、プロと大学サッカーのギャップに試行錯誤していましたが、ようやく形になってきた感があります。準決勝の星槎道都大を一蹴した試合を観て、試合ごとに安定感が増してきました。

試合開始から、やはり予想した通り、がっぷり四つの展開となりました。他大学は、札大の個の力、そしてパス回しを警戒し、DFラインの枚数を増やし、引いてブロックを作る戦術で対抗していましたが、結局札大のパスワークに振り回され、前半の途中からはハーフコートのサッカーとなり、ジワジワと追いつめられていきました。今大会、札大は格下相手でもそれほど得点は取っていませんが、しっかりしたチャンスを作るまで「無闇にシュートは打つな」と砂川コーチに言われていて、安全運転に終始。相手の守備ブロックが決壊し、先取点を取ると、相手はすでに疲れていて、反撃の力は残っていない、そういう試合ぶりでした。

岩教大も、札大のパスワークを警戒し、引いてカウンター攻撃を狙うサッカーもプランにあったようです。札大の4枚のMFに対し、岩教大は3枚。どうしても回される時間帯はあるはず。しかし、練習でもカウンターはうまくいかず、また、全国で勝つためのサッカーとして取り入れた今季のサッカーで、「北海道で引いてカウンターをやっても得るものは何もない」(安部コーチ)と、相手がどこでも自分たちがやってきたサッカーを貫くことを決めました。

試合開始から岩教大の3トップが札大のDFラインに猛然とプレスをかけにいきます。ただ、無闇にプレスをかけまくる訳ではなく、状況に応じてプレスに行くところ、行かないところの約束事を細かく決めていました。「これまでの試合は全部(プレスに)行き切っていました。それだと中盤との間が開いて札大の思うつぼになる。後ろで回される分はそれほど怖くない。プレスに行くときと行かない時のタイミングは祐樹がスイッチを入れてくれた」とFWの明比佑樹主将(4年)は明かします。CBでDFリーダーの深井祐樹(3年)が状況を判断し、前線からの守備のスイッチを入れていました。

また、ボランチの司令塔・平塚選手、左サイドの起点となる按田選手への対策も徹底していました。時にはDFラインまで下がってゲームを作る平塚に対しては「DFラインまで下がった時は追わない。縦や斜めにパスを入れて、自分も前にきて攻撃に絡むような時はプレスをかける」(明比主将)という決め事を作っていました。そのため、平塚選手もいつものようにアンカー的なポジションでも自由にボールを持てず、消える時間もありました。

そのような状況で前半33分、MF遠藤裕馬選手(2年)のCKからFW佐賀俊之輔選手(3年)が打点の高いヘディングシュートを決め先制します。佐賀選手はポストプレーでも大活躍でした。前半は札大がボールを保持しながらも、チャンスの数は岩教大が多い展開でした。

後半もほぼ似たような内容で、中盤の潰し合いから、どちらが自分たちのペースに持っていくかという一進一退の内容。岩教大は後半と同じく、愚直かつ緻密なプレスで札大のパス回しを封じていました。しかし、少しでもラインが間延びしたときは、札大もさすがで、按田選手の斜めのスルーパスからフリーでMF喜澤隆太選手が決定的なシュートを放つなど、決定的なチャンスを作ります。先にどちらが得点するかで勝負は一気に動くと思われました。そして待望の追加点が生まれたのは後半11分、右CKから低い弾道のボールを、スタメンに抜擢されたDF佐藤隼選手(2年)が頭から突っ込み大きな追加点を挙げます「マークがはずれて自分のところにボールが来たので夢中で飛び込みました」と振り返ります。岩教大の右サイドバックはまだ、固定されていないため、佐藤もスタメン当落上の選手。今大会も途中出場が多く、先発した試合も前半で退いていました。

今回の佐藤選手の起用を「蹴るだけじゃなくて、つなぐことができるので抜擢した」と越山賢一監督。起用がバッチリ当たったことになります。また、それ以上に重要な仕事を佐藤選手はしました。それは按田選手封じです。札大の左サイドで攻撃の絶対的な起点ある按田選手、常に左サイドのタッチライン沿いに大きく開いています。そこにサイドチェンジや平塚のロングパスが入った時に札大の攻撃にスイッチが入ることが多いす。札大の両サイド、特に按田の封じも各チーム気を使ってきました。佐藤は、「按田選手ばかりを気にしていたら、中がいてしまう。按田をみながらも絞る時は中に絞って、マッチアップしたときは負けるな」と越山監督から支持を受けていました。按田は右利きのため、中に切れ込んでシュートやクロス、パスを通すパターンが多くなりますが、中はしっかり切って、効果的なパスやシュートはそれほど出させませんでした。2人も同学年ですが、方やコンサドーレU-18のエリート、佐藤も強豪・札幌大谷高でしたが、コンサ-18はプレミアリーグに参戦していたため試合でぶつかることはありませんでした。しかし、練習試合などで「すごくうまい選手。世代で1番の選手と思っていた」と言います。それをほぼ破たんなく封じたことで「自分としても今日は100点。自信になりました」と照れ笑いを浮かべました。

2点を取られたことで、札大の攻撃はパスを回すだけではなく縦パスも使い、早く、パワーで押す場面も増えてきました。かつての札大らしい戦い方で、これはこれで恐いです。その中で、MF喜澤選手のシュートをGKが弾いたこぼれ球を、途中交代のFW橋本恵太選手(4年)が押し込んで1点を返します。その後も激しい肉弾戦が続きますが、岩教大の前からの連動した守備が破たんすることはなく、札大の迫力ある必死の反撃もしのぎ切り、昨年1-3で敗れた雪辱を果たしました。

内容としては、シュート数が岩教大8本、札大7本の通り、まったく五分の試合でした。岩教大の戦術、戦略が札大の個の力、パスワークを何とか封じ切ったという印象です。前から泥臭く走り回って、1対1のデュエルでも互角以上に渡り合いました。あれだけ前から走り回って、プレスとプレスバックを繰り返すのは、心身ともに疲弊するはずです。「正直、プレスをかけ続けて、後半は特に足が止まりかけて、攻撃への力が残っていませんでした。そこが、全国へ向けての課題です」と明比主将。岩教大も守備はうまくいきましたが、内容が良かったわけではありません。通常は高い位置を取る両サイドバックも札大のサイド封じに追われ、あまり攻撃参加はできませんでした。しかし自分たちの良さを出す以上に
相手の良さを消すサッカーを実行し、セットプレーで得点して勝利できた。この激しい守備も今季の岩教大らしさでもあり、内容が悪くても勝つ勝負強さにこれまで以上にチームとしての逞しさを感じました。後は縦に急ぐあまり、攻撃が縦パス一本の単調になりがちな面が課題と言えば課題でしょう。

一方、札大も敗れたとはいえ、個々の力はやはり札大が抜けていると感じました。現在目指しているサッカーは相手が格下相手の時は、面白いようにボールが動き、圧倒的なポゼッションで振り回し疲れさせ、体力と心をも折っていくように見えるほどです。しかし、今回の試合で前からプレシャーをかけてくるチームや、自分たちと互角かそれ以上の相手と対した時は、もろさを露呈した結果となりました。札大の攻撃に特化したパスサッカーは、見ている方も楽しく、昨年の消化不良ぶりからかなりの進歩が見られます。星槎道都大戦でハットトリックを決めたFW新田選手は「砂川さんのやりたいサッカーが、ようやくできるようになってきました。去年よりポンポンとパスが回るので、相手を崩し切ってゴールしたときはメッチャ楽しいです」と、手ごたえは感じています。ただ、同時に「シュートで終わる回数が少ないですし、このパス回しが全国でできるかどうか」という現状をしっかり見つめています。今回の岩教大戦で出た課題をいかに生かし、全国でもボール動かして勝てるチームとなっていくか、砂川コーチと札大の巻き返しも期待したいです。

総理大臣杯の全国大会は今回はユニバーシアードがある係で9月1日から大阪ほかで開催され、の2チームが出場します。両チームの健闘を祈念します。また、総理大臣杯を振り返ると、苫小牧駒澤大学が3年ぶりに学連に参戦。2回戦では旭川大学に0-5と完敗しましたが、かつてベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)であの中田英寿氏を育てた古前田充氏が監督として復帰しました。「2年程度で2部に上がりたい」と意気込んでいます。その旭川大学は昨年、3部で圧倒的な優勝候補として目されていましたが、残り2節でまさかの連敗で残留。しかし、そのレベルの高いサッカーは健在で、3回戦では1部の東海大札幌校舎と五分の試合を展開し惜しくも0-1で敗れています。同大学の動向も注目ですね。

また、今大会は北大の健闘も目立ちました。準々決勝で北翔大に完勝し、3年ぶりのベスト4入り。岩教大には1-4で敗れましたが、点差ほどの内容差はなく、個の力の差を全員のハードワークで埋め、しっかりプレスをかけ、アタッキングサードまではボールを運びチャンスを作っていました。あとはラストのシュートやクロスの精度などがやはり2強との差でしょう。1990年代後半から2000年代に北海道大学サッカーの盟主だった道都大も近年は低迷が続いていましたが、久々に4強入り。かつてのパスを回すサッカーからカウンターを狙うチームに変貌しています。しかし、札大には0-4と完敗。リーグ戦では2強との差をどれだけ埋めることができるか。

総理大臣杯が終了し、舞台はリーグ戦に移っていきます。1部の1節は5月13日に始まりましたが、2部開幕は6月10日から、3部初戦と1部2節も11日始まります。大学サッカーの熱戦はこれからが本番です。
▽写真説明

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①前半33分、岩教大FW佐賀が先取点を決める
後半11分、CKからDF佐藤が追加点を決める
佐藤の追加点に喜びを爆発させる岩教大
札大MF按田や平塚と競り合う岩教大の佐藤
後半28分 札大FW橋本が1点を返す
優勝を決め喜ぶ岩教大ベンチ
トロフィーを掲げ喜ぶ岩教大

キムケンの大学サッカー応援コラム2017年度①

学生サッカーファンの皆さん、お久しぶりです。北海道大学サッカーサポーターのキムケンです。2017年度のサッカーシーズンもこれから本番を迎えます。先月26日には北海道学生サッカー連盟(以下、学連)の総会も開催され、今季の日程、概要が決まりました。それに関しては後程、後述します。

普段は5月中旬の総理大臣杯から大学サッカーはスタートしますが、今季に限っては、天皇杯1回戦が4月22、23日に開催されるため、昨年度の学生リーグ1、2位と、社会人リーグ(北海道リーグ)1、2位のチームで1,2日に函館フットボールパークで平成29年北海道サッカー選手権大会兼第97回天皇杯全日本サッカー選手権大会北海道代表決定戦が開催されました。

結果は皆さんご存知かも知れませんが、学生リーグ1位の北海道教育大学岩見沢校(以下、岩教大)、2位の札幌大(以下、札大)の両雄は、社会人1位のノルブリッツ北海道の老獪さとしたたかなサッカーに後塵を拝する結果となりました。

準決勝でノルブリッツと対戦した札大は、昨年から元コンサドーレ札幌の砂川誠氏をコーチとして迎え、個の力とアイデアを生かし、ボールを保持し動かし続け、相手の逆を取るポゼッションサッカーを目指しています。DFにコンサドーレ札幌の強化指定選手の按田頼選手(2年)、中盤には卓越したパス能力とゲームメークができる平塚悠知選手(3年)、FWには裏に抜けるスピードと得点感覚に優れた新田裕平選手(3年)などが健在で、「攻撃に関しては去年より能力のある選手がそろっている」と砂川コーチも話します。個の力に関しては今年も大学NO.1だと筆者も感じています。

基本的には3バックで、攻撃時には両CBも高い位置まで上がりワイドに開いて攻撃に参加する超攻撃的なサッカーでノルブリッツを押し込みますが、ノルブリッツは札大の戦術に合わせ、5バックで引いて迎え撃つ形になります。システム的に正対する形で、札大の攻撃は次々と跳ね返されます。7-3の割合でボールを支配するのですが、ファイナルサードからの崩しのアイデアや共通理解がまだシーズン初めということもあるのか精度を欠いていました。「相手を崩すアイデアもが足りなかったし、崩してもシュートまでいけない時もありました」とゲームキャプテンでリベロの中島洸(3年)。逆に時折放つノルブリッツのロングボールからのカウンター攻撃は危険な匂いを放っていました。前半は0-0でしのいだノルブリッツのプラン通りの展開といえます。

後半も札大がボールを動かしながら攻める展開でしたが、同7分、MF小玉翼選手のロングパスに裏を抜けたFW畠山直人選手の冷静なシュートが決まり先制点を奪われます。札大が前がかりとなり、ポッカリと空いたスペースを使われてしまいました。札大はさらに前がかりに攻めるのですが、昨年、北大の主将だった桜岡直也選手が、ノルブリッツのCBとして出場していましたが、「ディフェンス5枚で正対していたし、跳ね返すだけで良かったので、やりやすかったです」と語るように、ボールは回すのですが、焦りからか単調な攻撃が目立ってきます。そして、ノルブリッツのディフェンスが、学生サッカーでは見られない粘り強さを見せ、札大の波状攻撃を最後までしのぎ切り、逃げ切りました。ボールを圧倒的に支配しながらシュートは11本、決定的なチャンスはそれほど多くなかった札大。「ボールを保持しているチームが負ける典型的なパターン。やっている内容は悪くはなかったですが、力不足です」と砂川コーチは完敗を認めました。昨年から大学サッカーに携わり、札大の選手の能力を認めながらも「札大の選手には守備の文化がない」と分析。今回のロングボール1本の失点も「何であんな失点の状況になるのか理解できない」と嘆きます。そのため守備の強化以上に、ボールを保持し続けるサッカーを志向し、「とにかく個の力を高めることと今やっているサッカーの精度を上げていくしかない」と話します。3月は愛知遠征で関東、東海、関西のチームと練習試合を行い、札幌でもコンサドーレ札幌と練習試合を行うなど準備してきましたが、実りませんでした。

ゲームキャプテンの中島選手も「DFからFWまで全員が同じアイデアを持って連動していくぐらいにしていかないといけない」と話し、総理大臣杯、リーグ戦への巻き返しを誓いました。

岩教大は、今季も4-3-3を基本に、より縦に速いサッカーを志向し、全国で勝てるチームに進化するため、当たり負けしないというテーマを掲げ、冬場は厳しいフィジカルトレーニングを課してきたと言います。その成果は3月20日からの関西遠征で阪南大や大阪経済大などと練習試合を行い3勝1分けと負けなしの結果を残し、自信を持って今大会に臨みました。

準決勝の相手は社会人2位の十勝FC(旧十勝フェアスカイ)。冬場に鍛えた運動量とスピードで押し込んで、シンプルな縦パスを中心にチャンスを造ります。特に昨年不調だったFW佐賀俊之輔(3年)選手の動きがキレキレで、前半35分のDFを抜き去りゴール左隅に決めた同点弾や、逆転弾となった64分のヘディングシュートなどでハットトリックを飾り3-2と競り勝ちました。内容的には完勝だったものの、岩教大もロングボールからあっさりと2失点した淡白なディフェンスが気になりました。GK福永浩哉選手も「引いてくる相手には縦パスだけじゃなく、状況によってパスを回す時間も必要かもしれません」と懸念していました。筆者も縦パスだけだとしたたかなノルブリッツの術中にはまる、そんな見立てでした。
決勝はまさにそのような展開。今回もノルブリッツは4バックで4-2-3-1と4-3-3の岩教大に正対しやすいシステムを引いてきました。特に岩教大インサイドハーフの小笠原光研選手(4年)、遠藤祐馬選手(2年)を2ボランチで徹底マーク、好調のFW佐賀選手もフリーにさせてくれません。試合開始後はノルブリッツは引かずにしっかりとプレッシャーをかけてきて、岩教大は苦し紛れの縦パスが多くなり、さらにそのセカンドボールを奪われ苦しい展開に。やはり単調な縦パスだけだとしっかりと裏をケアされていて、2人目3人目と連動した攻撃ができず、攻め急いでは数的優位を作れません。そのため、DFラインからのビルドアップができず間延びした中盤に開いたスペースを使われカウンター攻撃を浴びます。8分にDFのこぼれ球を押し込まれ早くも失点。

しかし、後半は運動量に勝る岩教大が押し込む展開となり、セットプレーなどからチャンスを作ります。内容の良い時間帯に追いついていれば展開は変わったはずでした。しかし、同24分、ロングボールから右サイドを崩され、ファーサイドへのグラウンダーのクロスから小玉翼選手に押し込まれ、痛恨の2失点目。「あの2点目が痛かったです」と明比佑樹主将。岩教大は単調な攻撃のリズムを変えようと、63分に右サイドバックに正確なサイドチェンジなどパス能力のある井端純之輔選手(4年)を入れたばかり。しかしそこを突かれてしまった失点でした。後半30分にも試合をほぼ決定づける3点目を決められます。岩教大は同33分から長身のDF重森剛司選手(4年)をFWで投入、パワープレーをしかけ、アディショナルタイム2分にCK崩れからアンカーの小川達也選手(2年)が意地の1点を返しますが、予想外の完敗を喫し、大学勢は今季の天皇杯の出場を逃しました。

越山賢一監督は「自分たちのやることが読まれていた。単調になってしまったし、相手はうまい選手が多かったので、運動量で勝負するしかなかったけど、成熟度の差が出た」と振り返りました。こちらも関西遠征で得た自信を打ち砕かれることになりましたが、シーズンが始まったばかりで良い勉強になったことでしょう。昨年の奈良創平選手や一昨年の松本鴻太選手など中盤にパスを散らしてリズムを変える選手が不在で、引いた相手に縦パスだけでは厳しいと試合を見て思いました。状況によってある程度パス交換しながら相手を引き出してから縦パス勝負するなどバリエーションを増やすことも必要でしょう。それでも「まだまだ精度を上げていく必要はありますが、やろうとしているサッカーは絶対間違っていないです」と明比主将。今回を貴重な経験として総理大臣杯、リーグ戦へ向けいかに「成熟」させていくか楽しみです。

個人的には今大会を通して、両校とノルブリッツとで感じた差は、やはりディフェンスです。今回だけではなく、大学サッカーを長年見てきて感じるのはディフェンスの淡白さと集中力のなさ。DFだけではなく、チームとしての守備で「危機察知能力」の欠如を感じます。昨年のリーグなどをみても1~3部限らず大味な試合が多かったと思います。岩教大も打たれたシュートはわずか5本ですがそれで3失点。DFリーダーの深井祐希選手(3年)は「1点目は事故みたいな失点でしたが、ほかは崩された。ファイナルサードの場面でもっと厳しく寄せていかなければいけないと思いました」と話します。ノルブリッツのディフェンスは危機察知能力が素晴らしく、危険な場面はカバーリングが徹底され、札大、岩教大ともフリーでシュートを打てる場面が少なかったです。元北大主将の桜岡選手は「皆さん上手いですし本当にやりやすい。自分のミスも必ずカバーしてくれる。自分は跳ね返すだけでいい」と話します。やはり「危機察知能力」は経験を積まなければ身に付かないのかも知れません。しかし、今大会は防げた失点を与えてしまった印象を両チームともに感じたので、北海道大学サッカー全体の課題かもしれません。

さて、今季の学生サッカーに話を戻しますが、総理大臣杯が5月13日から苫小牧、浜厚真、厚別公園競技場で開催。28日に厚別で決勝が行われます。リーグ戦は1部が5月13日、2部、3部WESTが6月10日、3部EASTが同月17日から開催予定です。今季の加盟校は29校、昨年1部に残留した函教大が、部員不足で加盟を辞退し、1部の構成が7校になったのは残念ですが、3部は札幌国際大、苫小牧駒沢大が復帰してくれました。また、3部は試合参加の機会を増やすために、試合の控えメンバー7人全員を交代できることに決まっています。1、2部は従来の4人です。今季も学連の各種大会にご注目してください。


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▽写真説明
札大01 FW新田が惜しいシュートを放つ
札大02 ノルブリッツの粘り強い守備に攻めきれない札大
札大03 後半7分にノルブリッツ畠山に先制点を奪われる
札大04 痛恨の敗戦にうなだれるDF按田
岩教大01 準決勝の十勝FC戦でFW佐賀がハットトリック
岩教大02 DFラインの裏を抜けるもGKに阻まれるMF小笠原
岩教大03 好調佐賀のポストプレーもノルブリッツの守備に苦闘
岩見沢04 後半アディショナルタイムにMF小川が意地のゴール
岩見沢05 まさかの敗戦にぼう然とする岩教大イレブン

全日本学連 基本理念の改訂について
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